『幽☆遊☆白書』はなぜ終わった?冨樫義博先生が人気絶頂で連載を終了した理由
連載終了の理由はくわしく紹介します!
こんにちは!ひーたぱぱです。
『幽☆遊☆白書』といえば、1990年代の『週刊少年ジャンプ』を代表する人気漫画のひとつ。
浦飯幽助、桑原、蔵馬、飛影といった魅力的なキャラクターに加え、戸愚呂弟や仙水など敵キャラクターも強烈でした。
ところが『幽☆遊☆白書』は、人気がなくなって打ち切られた作品ではありません。
作者の冨樫義博先生自身が、編集部に連載終了を申し入れて終わった作品です。
これだけの人気漫画を、なぜ自分から終わらせたのでしょうか?
今回は、冨樫義博先生本人が連載終了後に明かした内容をもとに、『幽☆遊☆白書』が終わった理由を分かりやすく紹介します。
『幽☆遊☆白書』はどんな漫画?

『幽☆遊☆白書』は、冨樫義博先生が『週刊少年ジャンプ』で連載した漫画です。
主人公は不良少年の浦飯幽助。
子どもを助けようとして交通事故で命を落とした幽助が、さまざまな試練を経て生き返り、やがて霊界探偵として妖怪たちと戦っていきます。
序盤は霊界を舞台にした人間ドラマ的な要素も強い作品でしたが、その後は本格的なバトル漫画へ。
特に「暗黒武術会編」で人気はさらに高まり、テレビアニメも放送される大ヒット作品となりました。
コミックスは全19巻。
現在でも『HUNTER×HUNTER』と並ぶ冨樫義博先生の代表作です。
『幽☆遊☆白書』は1990年の大人気漫画!
『幽☆遊☆白書』は打ち切りだった?

最終回まで読んだ人の中には、
「人気が落ちて打ち切られたの?」
と思った人もいるかもしれません。
魔界統一トーナメントが始まったと思ったら大会の多くが省略され、その後は人間界での幽助たちの様子が描かれて物語は終了します。
それまでの展開と比べると、かなり早く物語が進んだ印象があります。
しかし、編集部から打ち切られたから終了したわけではありません。
冨樫先生は連載終了後、自ら作った同人誌の中で終了までの経緯を明かしています。
1993年12月ごろには終了することが決まっており、冨樫先生自身が編集部に頼み込んだという内容でした。
つまり『幽☆遊☆白書』は、
「人気がなくなったから終わった」のではなく、「作者が終わらせることを選んだ」
という、当時のジャンプ作品としてはかなり珍しい終わり方だったのです。
冨樫義博先生が編集部に頼み込んで連載終了していた
理由① 週刊連載で体への負担が大きくなっていた

冨樫先生が挙げた大きな理由のひとつが、身体の問題でした。
週刊漫画の連載は、とにかくスケジュールが過酷です。
冨樫先生は『幽☆遊☆白書』の連載当時、休みのほとんどを睡眠に使い、それ以外は仮眠を取りながら漫画を描くような生活を送っていたと明かしています。
さらに読み切りや巻頭カラーなどが重なった時期には、徹夜すると心臓に痛みを感じることもあったそうです。
毎週漫画を完成させる生活を何年も続けるうちに、少しずつ身体への負担が積み重なっていったのでしょう。
大ヒット漫画の裏側では、かなり厳しい生活が続いていたことが分かります。
過酷な週刊連載に身体がついていかなかった
理由②「自分で漫画を描きたい」という気持ちが強くなった
もうひとつ大きかったのが、漫画の描き方に対する冨樫先生自身の考えです。
週刊連載では、限られた時間で毎週原稿を完成させなければなりません。
当然、一人ですべてを描くのは難しくなります。
しかし冨樫さんは連載を続ける中で、
「自分が描きたいものは自分で描きたい」
という気持ちを強くしていったそうです。
実際に原稿の多くを一人で仕上げたこともありました。
作品のクオリティーだけではなく、「自分がどう漫画を描きたいのか」を大切にしていたことが分かります。
週刊連載という仕組みと、自分の理想とする漫画制作。
その両方を続けることが難しくなっていったのです。
週刊連載の仕組みと自分の描きたい漫画の狭間で悩んでいた
理由③『幽☆遊☆白書』でやりたいことをやり切った

そして個人的に一番興味深いのが、この理由です。
冨樫さんは、『幽☆遊☆白書』のキャラクターを使って商業漫画としてできることは、ほぼやり切ったと考えていました。
そのまま連載を続けるなら、
同じような展開を繰り返す。
あるいは、これまで作ってきたキャラクター像を壊していく。
大きく分けると、そうした方向しか残っていないと感じていたようです。
人気作品なら、そのまま新しい敵を登場させて戦いを続けることもできたはずです。
でも冨樫先生は、それを選びませんでした。
人気があるから続けるのではなく、自分の中で「ここまで」と思ったところで終わらせた。
漫画家としてかなり強いこだわりを感じるエピソードです。
『幽☆遊☆白書』でやりたいことができたからきっぱりとやめた
「仕事以外の欲求」も理由だった
冨樫さんは終了理由として、身体や漫画に対する考え方だけでなく、「仕事以外の欲求」も挙げています。
簡単に言えば、
- 「遊びたい」
- 「休みたい」
- 「思いっきり寝たい」
というものです。
これは週刊連載を続けていたらかなり切実な願いです。
毎週締め切りに追われ、睡眠時間まで削って漫画を描き続ける。
普通に休んだり遊んだりする時間が欲しくなるのは自然でしょう。
冨樫先生自身も、大小さまざまな終了理由の多くがここに当てはまるという趣旨の説明をしています。
週刊連載では仕事以外のことができなかった
人気漫画を「自分の意思で終わらせる」と決めていた

さらに冨樫先生は以前から、
長期連載ができたら、自分の意思で作品を終わらせたい
と考えていたそうです。
当時の『週刊少年ジャンプ』は読者アンケートの影響が大きく、人気を獲得できなければ早期終了することもある厳しい世界でした。
そんな中で『幽☆遊☆白書』は長期連載となり、大ヒット。
だからこそ最後は「人気がなくなって終わる」のではなく、自分で終わるタイミングを決めたかったのでしょう。
結果として『幽☆遊☆白書』は全19巻で完結しました。
やめるタイミングを自分で決めたかった
まとめ

『幽☆遊☆白書』が終了したのは、人気がなくなったからではありません。
大きな理由としては、
- 週刊連載による身体への負担
- 自分の理想とする漫画制作とのズレ
- 『幽☆遊☆白書』でやりたいことをやり切った
- 休んだり遊んだりする時間が欲しかった
などがありました。
そして最終的には、冨樫義博先生自身が編集部に終了を申し入れています。
大ヒットしている漫画を自分から終わらせるというのは、なかなかできることではありませんよね。
その後、冨樫先生は『レベルE』、そして『HUNTER×HUNTER』を生み出します。
『幽☆遊☆白書』を無理に続けるのではなく、一度終わらせて次の作品へ進んだ。
今振り返ると、この決断もまた冨樫義博先生という漫画家を語るうえで欠かせないエピソードなのかもしれません。

